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ある企業で、リーダーのAさんが、
重要な商品開発の意思決定に直面しました。
市場の調査と分析も徹底的に行い、
会議でも衆知を集めて議論を尽くしたが
それでも、この商品開発に踏み切るべきか否か、
メンバーの意見が定まらない。
そして誰よりも、
その意思決定の責任者であるAさん自身が、
決断できない。
会議のメンバーからは
「Aさん、決めて下さい」との声が、無言で伝わってくる。
そうした雰囲気のなかで、
Aさんは目をつぶり、しばし黙して考え込んでいたが
ふと目を開けてこう言った。
よし、サイコロを振って、決めよう。
唖然とするメンバーの前で、
偶数ならプロジェクトの実施決定、
奇数ならプロジェクトの実施見送りと宣言し、
Aさんは静かにサイコロを振りました。
全員が固唾を飲んで注視するなか、
サイコロは「偶数」と出ました。
プロジェクトの「実施決定」です。
その瞬間にAさんが
「やはり、このプロジェクトの実施は見送ろう。」
と言った。
さらに唖然とするメンバーを前に、言葉を続ける。
いま、サイコロの目が、偶数の「実施決定」を示した瞬間に、心の深くから「いや、違う」との声が聞こえた。
自分の直観は、やはりプロジェクトの実施見送りを教えている。自分は、その直観を信じたい。
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この話から学べることは2つ。
1つ目は退路を断つくらいまで考えきること。
重要な決定をサイコロに託すしかない、というレベルまで考えきる。
思考のシーソーを揺らし、51:49何なら50:50まで考えることが大事ということ。
2つ目は決断から逃げないこと。
ここではサイコロの目に従わず、自分の直観を優先した話だけど
「多数決だから」
「前回うまくいったから」
「**さんが言ってたから」
という理由で決めるのは、自分が下す決断から逃げていることになります。
もちろんですが、決断せずに先送りするってのは更に論外です。
決断していくのはマネジメント職する上で必須のスキル。目を逸らさず心を逸らさず、真正面から向き合い決断できるようになりましょう。